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ドラマ「遺族」  

YouTubeでドラマ「遺族」という作品を視聴しました。
昭和36年にNHKで放映されたものです。
戦後16年、主人公は戦時中知覧の特攻基地で従軍記者をしていた人です。
彼は一人の特攻隊員(特別操縦見習士官?海軍で言う所の予備学生士官です)と出会い短い期間(数日間)で親しく言葉を交わすようになり出撃前夜に日記を母に届けて欲しいと託されます。
日記の最期のページに住所を書いてもらい届ける事を約束し出撃を見送ります。
戦後、住所を頼りに訪ねますが焼け野原で隊員のお母さんを探すことできませんでした、その後も訪れては探すものの消息は掴めず15年の月日が経ってしまいました。
時代は高度経済成長期、戦争も過去の事になり人の記憶から薄れつつありました。
そんな時雑誌記者を通して隊員のお母さんの消息を知る事ができ、すぐに上京できないお母さんに代わって姪だという女性と対面します。
彼はその女性と話すうちにある事を思い出します、隊員が持っていた写真の中に写っていた一人の女学生、写真の中の女学性は眼鏡を掛けていたので確信を持てずにいたのですが目の前の女性がバッグから眼鏡を出して掛けた姿を見た事で写真の彼女と確信しました。
隊員は従妹である彼女に想いを寄せていました、家が近くで子供の頃から知っていて妹みたいに思っていたはずなのにが軍に入って初めて彼女が妹みたいな存在ではないという事に気付いたと記者に話します、写真は彼女のアルバムからこっそり剥がしてきたのだと笑う隊員。
「想いを伝えないのか?」と問う記者に「今更伝えたところで彼女を苦しめるだけです、自分がその想いに苦しんでもせいぜいあと2、3日、黙って征きますよ」と。
隊員の彼女を想うからこそ伝えない本当の気持ち、それを失念していた16年後の彼はつい彼女に話してしまったんですね・・・それが波紋を起こすことになろうとは思わずについね。
実は従妹の彼女も隊員に想いを寄せていて、御互い想い合っていた事実を知ったばかりにずっと心の中に仕舞っていた想いが一気に噴き出してしまって日常生活に支障をきたすようになってしまうのです。
彼女には夫も子供もいるのに。
記者の彼にしたら過去の思い出話の一環だったのでしょうが彼女にしたらどうして想い合ってたのに言ってくれなかったのかと死んだ隊員を切なく想うやら恨むやらで心の中はぐちゃぐちゃに、夫にしたらいきなり死者がライバルになって登場と悲惨な展開に。
隊員のお母さんも上京してきて姪の家で対面、お母さんが一枚の葉書を彼に差し出します。
昭和20年5月に息子の遺品が届いて母は初めて息子が特攻隊員であったことを知りました、驚いてどういうことかと息子が所属していた部隊に手紙で問い合わせたら「息子さんは原隊で元気に勤務しています」と書かれた葉書が7月に届いたそうです、そこから終戦、しばらくして戦死広報という流れ。
母はもしかしたら息子は生きているのではないかという思いをずっと抱えて生きてきたのです。
彼は隊員の出撃を見送った事を話しますが、母親は納得しない、それどころかある新聞記事を差し出してこれは息子ではないかと言う・・・記事の内容は詐欺をした男が逮捕されたという物。
隊員が生きていたら34歳、新聞の詐欺師は24歳・・・年齢も違うしこれは息子さんではないと彼は言いますがお母さんは引かない。
その時に彼は初めて遺族にとって戦争は過去の事ではない事を思い知ることになります、自分からしたら隊員から託された約束をようやく果たせて良かった良かったで終わるはずの話がそうではなかった。
後日、彼が母親に出撃前夜の隊員の様子を細かく書き記して渡した原稿が姪から「叔母が忘れて行ったのでお返しします」という手紙と共に送り返されてきました。
受け取るだけ受け取って見ないまま処分することもできたのにわざわざ送り返すというのは「息子(彼)の死を認めない」という母と姪の強い拒絶なのだろうと思った。
それ以降、母親とも姪の女性とも会う事はなかった彼ですが後日姪の夫と偶然会う事があり姪の近況を尋ねたところ以前と変わりないとの事・・・知ってしまった以上知らなかった時の自分にはもう戻れないということかと、何か後味の悪いドラマでした。
もうちょっと考えて話そうよ従軍記者の彼と思わなくもないけど、これって立ち位置が違うだけで誰もが犯しそうなミスだよなと思う。
確かに特攻出撃を見送ったその時は彼だって「何で未来のある若者が」と思ったとは思う、でも彼の中でいつしかそれは戦時中の想い出になってしまったんだろう、でも遺族は違う想い出にはならない絶対に。
ドラマの後に遺族へのインタビューもあったけれど「遺された自分達が朗らかに生きて行かないと」と話されてた御両親、この気持ちに至るまでいったいどれくらい苦しみ悲しんだのだろうと思う。 
「特攻は犬死だなどと言われて悔しい」と言っていた隊員の弟さん、戦争中は軍神とまで言われたのに戦後は手のひらを返したように酷い事を言う、「犬死の様に世間からは取り扱われているように思えて本当に可哀想で(息子を)諦めることができません」と戦後もずっと嘆き続けるお父さんがいた事を私は知っています。
最後に奥さんが「悲しみというのは薄紙をはぐように薄らいでいくものだそうですけれども、傷跡の方はいっそう深くなるような気がします。」と話されてたのが心に残りました。

山田洋次監督のテレビ初脚本の作品だそうです。

お母さんが詐欺師の記事を息子ではないかと言った時〝え?お母さん名誉の戦死の息子より詐欺師の息子の方がええって事?〟とちょっと考えてしまいまして・・・妹に聞いてみたら「いくら名誉ある戦死でも名誉らいらんから生きてて欲しいって思うよ、罪は一緒に償うから」ということでした。
親の子を思う心ってどんだけ深いんだろう、私も甥は可愛いけど妹の母としての愛情には到底敵わない。

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