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決戦の大空へ  

昭和18年戦時中に公開された映画です。
今年亡くなった原節子が出ています。
綺麗な人だとは思うけど、古風でもなく現代的でもない不思議な顔した美人だなと子供の頃から思ってた。

海軍がバックアップしてる海軍飛行予科練習生(予科練)の戦意高揚映画?勧誘映画?です。
内容は予科練生の日常の生活風景と予科練生(10人前後くらいで一つの班みたいな感じで行動を共にしているようです)が休日に訪れて遊んだり寛いだりする倶楽部という一般家庭(というよりもやや裕福な家庭か?)の家族との触れ合いが中心になってます。
最後は予科練を卒業で終わり。
杉枝(原節子)は倶楽部の家の長女、母、弟と妹の4人家族。
結婚前のうら若き乙女なんですが、予科練生は「おばさん」と呼び(年齢的にはお姉さんだろうがよ)、呼ばれた杉枝は一瞬固まってました、その後引きつった笑いを浮かべてましたが幼い妹に「(予科練の)お兄さん達はお姉さんでもおばさんと呼ぶのよ」と教えられ何だか納得したようなしてないような微妙な感じ
今なら「クソガキ共が誰がおばさんじゃ」と怒鳴りつけてるところだろうか・・・。

杉枝の弟(克郎)はやや体が弱く(跳び箱も飛べない、運痴ではなさそうですが)、杉枝は普段から叱咤激励していますが暖簾に腕押し状態。
予科練生たちは克郎を弟のように可愛がっており、克郎も予科練生と触れ合っていくうちに逞しくなり、ある日杉枝と妹しげ子と共に予科練を見学に行き、予科練を目指すと宣言・・・自分みたいな人間でも入れるだろうかと不安を口にする克郎に予科練の教員が「大丈夫」と何か無責任な発言・・・跳び箱は飛べるようになったけど取り立てて運動能力が優れてるようには見えないのにマジ大丈夫か。
まぁそこは勧誘映画一心不乱に努力して合格を手にします。
その間、以前お世話して戦地に出ていた予科練生が戦死(敵艦に体当たり、特攻か?)したという知らせを受けたりするのですが杉枝が弟に予科練の受験止めなさいとは言わない姿に少々違和感。
予科練勧誘映画で受験止める姉の方が有得ないのだけど・・・人間の感情としては、どうなんだろうねぇ

卒業も間近になった最後の休日に倶楽部に向かう予科練生達、その途中でいつも渡っている橋が壊れて地元の人達が修理をしているところに出くわします。
「この橋にも今まで世話になったし」と皆で修理を手伝い始めます、休日の外出も当然門限があり途中で時間を食えば当然倶楽部で過ごせる時間も減ってしまうわけですが・・・ええ子達や・・・
この映画では昭和18年8月15日に予科練を卒業、次は飛行練習生となって各航空隊での訓練に移って行くわけですが、2年後の8月15日にこの中の何人が生き残っているか・・・。
トラックの荷台に乗った予科練生達は道路まで見送りに出ていた杉枝達を見付け敬礼をしながら「有難うございました、御世話になりました」と声を掛け去って行きました。
見送りながら杉枝が「今にあの方々活き活きと飛び立ってゆくのね」と微笑みながら言い、しず子は「お母さん、お兄ちゃんももうすぐね」と無邪気に言います。
予科練生達はそれはそれはいい子達で(お姉さんをおばさん呼ばわりはいただけないが、しっかりはしてるけど今の同年代の子みたいに擦れてない)、それだけにこの子達の未来に待ってる現実の厳しさと残酷さに涙が出た。
当然この頃の子達には先のことなんて判らないけど未来を生きてる私達にはこの人達の未来に待ち受けてるものは決して希望に満ち満ちたものではないということは判ってるので。
時期的にはまだ飛行訓練等はできそうですが、これから一年後の卒業生ともなると多分、翼なき予科練(回天や震洋、海龍、伏龍等の海の特攻)と言われる世代になるのではないかと。

今で言えばブラック企業の勧誘ビデオ?に近いものがあるような。
予科練に来れば優しい教員達が懇切丁寧に指導、楽しい飛行機乗りへの道が君達の前に開けてるよって感じの映画でしたが…実際はほぼ毎日ぶん殴られて晴れて飛行機乗りになれるぞという日には爆弾抱えて敵艦にぶつかって来いやら乗せる飛行機ないから海の特攻へ行けですから酷いものです。
少年の空への夢を上手く利用してるので質悪い。
本当に少年の憧れや夢を駆き立てるような作り方なんですよね。
格好いい白い制服(夏服です多分)、当時の女学生が胸をときめかせたそうですが、今のおばさんでもときめく素敵さです、これに当時の男子が憧れないはずがない。
この映画を観て予科練に入ってあまりのギャップに驚いたと言っておられた方もいます、ブラック企業なら辞めることもできますが予科練はそうもいかず日夜繰り返される教員からの罰直という制裁に自殺した人もいたそうです。
この映画では班長という教員の中から選ばれた人が各班(分隊?)に一人付くのですが、素晴らしく好い人でした。
病気になると徹夜で看病してくれる(笑)実際はいたとしてもほんの少数だったのではと思います(ここまで優しい教員はいないだろうと思うけど)。
訓練時は鬼の様でも訓練が終われば兄のように温かく接してくれたと想い出を語る人もいるのでそういう方はいたのでしょう。
罰直で練習生を殴るのが嫌だけどそれを口にしたら教員同士の軋轢を生みかねないので、練習生に服を詰めた袋を持ってこさせてそれを殴って音だけさせてたという人もいたそうで・・・親元から離れて厳しい訓練に明け暮れて頑張ってる子達を見て愛情を感じないほうがどうかしてると私は思うけど。

訓練風景は今でもこの訓練やってたら日本は世界のどこにも負けない体操王国になるんじゃないのというくらいすごいものでした。
運動神経の塊みたいな子ばかりでびっくりした、全身バネ?。
これ克郎無理だろ、跳び箱もロクに飛べなかったのにと思わずツッコんだくらいでした。
飛行訓練は最初、デパートの屋上でお金入れたら動くような乗り物でやってたのが意外でした(もうちょっと立派な物でしたが)。
まぁ最初からいきなり飛行機はないと思ってたけど。
本物の飛行機は勘弁ですがあの乗り物には乗ってみたい、当時の生徒さんがどんな風に訓練してたかを知るのにはいいんじゃないかなぁ、予科練記念館とかに置いてみればいいのにとか思ったけど。
当時の訓練を体験してみようとか。

映画の最後は爽やかで清々しいものでしたが、観てるこっちの心はどんよりとなったのでした。
やっぱり戦後生まれで平和しか知らない自分には理解し難い杉枝の心・・・。
あの頃も今もかっこいいものに憧れるのは同じ、でも話盛り過ぎだよね。

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category: 映画

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